2000年(平成12年)3月19日(日曜日)千葉日報

交差点の事故減少に効果
千城台をモデル地区に通学時間帯など
歩行者用「青」に信号機スクランブル化

 子供や高齢者など交通弱者の交差点での事故を減らそうと、県警交通規制課は、千葉県千葉市若葉区千城台地区を「信号機スクランブル化モデル地区」に指定することになった。信号機スクランブル化は、通学時間帯や日中は歩行者用信号機だけを青信号にし、両方向の車の通行を遮断して歩行者事故の危険を減少させようという措置。地区全体をしていするのは全国でも珍しく、「県や千葉市は「交差点の事故減少に効果的」と期待を寄せている。

県警交通規制課

 昨年一年間の交通事故死者四百二十二人のうち、高齢者百十四人、子供は十四人と全事故者の三割以上の百三十一人が命を落とした、負傷を含めた事故の約六十三%が交差点付近で発生。特に通学路や住宅街の生活道路で車が右左折する際に歩行者や自転車が巻き込まれるケースが耐えない。

 このため、県警交通規制課は、六つの小学校や老人ホーム、公園などがある千葉市若葉区の千城台地区をモデル地区に最適と判断した。人工約二万千二百人、面積約四千九百平方キロメートルの同地区内の交通量や道路利用実態を調査した後、二十九ヵ所の交差点信号機のうち通学路や車の通行量が多い道路の信号機を今年六月以降にスクランブル化する予定。

 県内では、松戸市常磐平と千葉市稲毛区穴川地区で一方通行や速度制限や道路に凹凸を付け、住宅地の道路への車の流入を排除する「コミュニティーゾーン」を設けるなど、県警と自治体が協力して交通事故防止への取り組みを強化している。

 同課は「反響を聞きながら、県内の住宅地区の通学路や生活道路を中心にスクランブル化を検討し、交通弱者が安心して歩けるような空間を作りたい」と話している。


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